介護施設での暮らし

【食欲の秋】介護施設・事業所での高齢者の食事について解説します。

こんにちは、特別養護老人ホームの介護福祉士【しまぞー】です。

今年もあっという間に季節は秋を迎えましたが、秋と言えば食欲の秋ですね。施設に住まわれている高齢者にとって、食事は大きな楽しみのひとつです。
私は介護歴で10年近く働いていて、4業態8か所の施設・事業所を経験しています。そこで感じたのが、介護法人・業態によって食事の提供の仕方や内容が違うということです。

食事代はほぼ同じでも、提供する料理の作り手は違い、給食業者だったり、介護職員や食事専門の調理係を雇っているなど様々です。
そこで、今回は私の経験からですが、高齢者施設・事業所での食事について、誰が作っているのか?どのような料理が提供されているのか?などなど解説していきます。

これから介護職になられる方にとっては、調理をするという専門的な仕事をしなければならないケースもあり、就職してから料理までするのか?と戸惑ってしまう事もあります。
また、これから介護サービスを利用する高齢者にとっては、介護業態によってどのような食事内容なのか違いを確認する事が出来るでしょう。

施設系の食事:管理栄養士がレシピを考えて給食業者が作る

特別養護老人ホームや介護老人保健施設などの介護保険施設では、管理栄養士が毎日の料理を考えて、給食業者が大人数の利用者の食事を作っています。

メニューも豊富で、お魚料理(加工品で骨は抜いてある)、肉料理、パスタ、カレーなどバラエティーに富んでいる。
また、季節料理なども凝っていて、お寿司を出すところもありました。どちらの施設も”一汁三菜”栄養バランスが摂れた料理が提供されています。

そして私が感じた限りでは、とても美味しい食事です。

ちなみに、社員の食事も基本、利用者と同じメニューで、嬉しいことに利用者より品数が一品多かったです。

施設での食事の特徴

・給食事業者が作っているため、介護職員が作る料理と比較すると段違いに美味しい。
・利用者の嚥下状態に合わせた食事形態での提供(軟飯、刻み食、ミキサー食、ソフト食)。
・利用者の健康状態に合わせて塩加減が決められている。
・栄養素とカロリーが表記されている。

施設以外の居宅系の事業所の食事:介護職員が作る

施設系以外の事業所で作る料理は、介護職員が作るところが多いでしょう。
私の経験では二つの例があり、

一つ目の例では、管理者が数日分の食材をスーパーで購入し、冷蔵庫で保管。毎日毎食、担当者がその日に冷蔵庫の中の食材を確認して料理します。

私の経験ではこのシステムが一番大変でした。業態が小規模多機能居宅介護で、人数が毎日変動し、多くて利用者20名プラス職員の分も作成するためです。特に調理経験のない男性は大変でした。

二つ目の例は、業者によりメニューが決まっていて、レシピと食材などが送られてくるシステムです。人数が決まっているグループホームなどで利用しているところが多く、その日のカット野菜と食材を用いてレシピを観ながら調理します。

グループホームでの食事の特徴

グループホームは基本1ユニット9名です。9名の利用者だけのために給食業者が入る所は少ないでしょう。
ですので、料理は夜勤の介護職員が作るところが多く、特にグループホームで大変なのは朝食の用意です。

グループホームはひとり夜勤なので、朝の忙しい時間帯に9名分の食事をひとりで作らなければなりません。
利用者の起床介助をしながら食事作りもしなければならないのです。

訪問サービスでの食事の特徴

訪問サービスでの料理は、基本、利用者のご自宅でヘルパーが調理し提供します。利用者のご家庭の希望で作ることが多く、スーパーで食材を購入したり、既製品を購入することもあります。

・利用者が希望する料理を作るためのお金を預かり、スーパーで買い物をして利用者宅で調理する。
・もしくは、ご家族が冷蔵庫に食材を用意していて、依頼された料理を作る。
・訪問ヘルパーの料理の腕に大きく影響されることがある。


また、施設・事業所の中には、利用者へのレクリエーションの一環としてファミリーレストランへ外食に行く機会もあります。

その場合は、レクリエーション係が行先のレストランのメニューを取り寄せ、前もって利用者の食事内容を注文しておき、お金を預かり、利用者の送迎などを行ったりする訳です。

このように食事の用意ひとつとっても介護職は意外と大変なのです。


今日はコラムを読んでいただきありがとうございます。また宜しくお願いします。

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