高齢者の病気・疾患

脂質異常症シリーズ4. 脂質異常症の予防と治療(食事と運動編)

「医師×福祉×経営」で感じたことを発信します、レギュラーコラムニストの柏木です。
前回は脂質異常症の原因をお話ししましたが、それをもとに今回は予防と治療についてです。
特に食事と運動についてお話ししていきます。

生活習慣の改善が最も大切

脂質異常症の原因で繰り返し強調したように、一部の遺伝などによりコレステロールが上昇するような病気を除いて、多くの脂質異常症は生活習慣が原因です。
そのため、生活習慣を改善することが何より大切になります。
でも、「具体的に何をすればいいのかわからない」となってしまいますよね。
多くのことを一度に取り組むのは難しいし、持続できないので、是非取り組んでもらいたい3つのポイントを紹介していきます。

おすすめ①過食、過剰飲酒を控え、標準体重を維持する
適切な食事量、飲酒量は人それぞれ異なります。
なので、一概に何をどれだけ摂取するというのを示すのは難しいものです。
ただ、まずは自分自身の食べたものや飲酒量を記録してみるのはいかがでしょうか?
思ったよりも食べていたり、知らず知らず油物が多くなったりしているものです。
まずは自分の食生活をコントロールする基盤を作りましょう。

おすすめ②控えるものと積極的に摂取するものを理解する
食事は日本食がおすすめです。
肉の脂身や乳製品といった食材を控え、魚や大豆製品、野菜などを積極的に摂取しましょう。
最近は外来で管理栄養士の栄養指導を受けられる医療機関も増えてきました。
おすすめ①でご自身の食べている記録に基づいて、管理栄養士さんからアドバイスいただくのは非常に良い取り組みになります。
かかりつけの先生に、栄養指導について相談してみると良いかもしれませんね。

おすすめ③定期的な運動習慣を身につける
最後は運動ですね。
この運動も30分程度の時間が推奨されています。
また、だらだら30分ゆっくり歩くというようなものではなく、早歩きで「少しきつい」と感じる程度の運動が求められます。
全く運動習慣がない方にとっては、いきなりは辛いレベルかと思います。
もともとの運動レベルや、持病などによって運動の仕方も変わってきます。
なので、かかりつけの先生としっかり相談しながら取り組みましょう。

いかがでしょう?この3つだけでも習慣にするのは大変なはずです。
まずはこの3つの中で、もう少し頑張れそうなものや、できてなくて気になっていたことをこの機会に見直してみるとよいと思います。

まとめ

今回、脂質異常症の予防と治療について、生活習慣を中心にお話ししました。
次回はいよいよ脂質異常症の薬についてになります。
ちょっと難しい話もありますが、引き続きよろしくお願いします。

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