こんにちは。広島の遺品整理業はっぴいえんどの西本です。
前回は仕事に夢中になりすぎて世の中とのつながりから遊離していた自分が“目を覚まし”、世間で起きていることをちゃんと知ることの大切さに気づくストーリーを書きました。そのきっかけとなった出来事が神田伯山と講談との出会いでした。
今回はその講談の魅力を知らしめてくれた講談師・神田伯山先生について、その面白さを綴りたいと思います。
『問わず語りの神田伯山』
神田伯山を一躍有名にしたと言われているのがこのラジオ番組です。
東京では毎週金曜日夜9時30分からTBSラジオで放送されています。
私は広島在住ですのでこのラジオをradikoというアプリで聴きました(今も毎週聴いています)。
初めて聴いた時の感想・・・とてつもない衝撃でした。
30分間ひとりでひたすらしゃべっているだけの番組です。番組といえば見ている人聞いている人の注意を惹きつけておくために手を変え、品を変えで様々な企画やコーナーというものを設けているものです。ただこの『問わず語りの神田伯山』はただ神田伯山がしゃべっているだけ。
このシンプルさに衝撃を受けました。
そしてその“ひとりしゃべり”がさらなる衝撃だったのです。
神田伯山が語るその凄まじい内容とは・・・・毒舌・悪口・愚痴の嵐なのです。
自分の講談を評論家に批判されればその反論を怒涛のスピードと猛毒で展開します。ただそれはただの感情論や悪口ではなく、ちゃんと講談を見ることなく批判をしたその評論家の姿勢に論点が向けられ実は芯はしっかりしている。
あるときは自己啓発本とそれを読んでその内容を実践している人を毒舌で腐す。その時にサラッと笑いながら出てくる伯山先生のセリフが秀逸です。
「好きなことをやって成功している人はいいけど、成功することが目的になっているやつって気持ち悪くない?」
ある時に気づいたことがあります。
このラジオは落語ではないのかと。
番組中、伯山先生は悪口を言いまくっています。ただそれは起承転結もあり、そしてしゃべっている自分も腐してそれを笑いに変えて、そしてその悪口の対象が実は好きだったりするんだということが伝わってくるんです。悪口ばかりが確かに目立つのですが、ちゃんと“芸”が陰に日向に散りばめられているということに気づいた時にその面白さは100倍になります。
話芸はテレビにもネットにも溢れているけれど、今は“コンプライアンス”が叫ばれる時代です。誰もがクレームや炎上を恐れてどこか本音から距離を取った表現をしている。そんな瞬間を見た時にいつも思うことがあります。
文句やクレームを恐れて遠慮しているような表現を私は見たいのか。
別に悪口を聞きたいとか悪口が無いと表現では無いと言いたいわけではありません。ただ毒も苦味もない表現だらけで面白いの?と思うだけです。
伯山先生の表現には毒も苦味もたくさん詰まっていて今の時代に「よくやれるなぁ」と感心します。その一方でその“毒”は単なる毒ではなく、ちゃんとした芸に裏打ちされたものだというところに神田伯山という伝統芸能を継承する人物の分厚さを感じるのです。
私は神田伯山という人物を通して、伝統芸能の表現力の強靭さを目の当たりにしているのかもしれないと思っています。
皆さんもぜひ『問わず語りの神田伯山』を聞いてみてください。おすすめです。
次回はいよいよ本番の講談についてその魅力をお伝えしたいと思います。
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